皆さんは“耳の形”を気にしたことはありますか？
目や鼻と比較すると美容面での話題になりにくい“耳”ですが、生まれつきの耳介(※)の形をコンプレックスに思う方が実は多いのです。
※耳介：耳のあなの周りの突出している部分。あなに音を入れる働きをしている。

母親のお腹の中で、耳介は複雑な癒合過程を経て作られるため、先天的に最も異常が表れやすい箇所の一つです。
例えば“立ち耳”“折れ耳”“埋没耳”“副耳”耳瘻孔”“耳垂裂”“小耳症”など様々なものがありますが、いくつかの耳介変形は治療をすることで形態を改善することが可能です。

こちらでは、美容クリニックでの治療が可能な“立ち耳”についてお話していきます。

立ち耳とは？

“立ち耳”とは耳介が側頭部から離れて正面を向いて立っているように見える状態です。
別名“聳立耳”とも呼ばれ、医学的には側頭部と耳介の角度が30°以上である場合をさします。
ほとんどの場合は“対耳輪”という耳の軟骨の折れ曲がりが弱く、耳を頭側へ寝かせる力が働かないために起こってしまう症状です。
正面から見ると通常の方よりも耳がよく見えることから、耳が目立ち顔が大きく見えたり、ストレートヘアだと髪の間から耳が出てしまいバランスに悩む方も多いです。
また愛嬌がある印象を与える一方、猿っぽい印象から知的なイメージを損なう等のデメリットがあります。
日本では「聞き上手」「よく聞こえる耳」として昔から問題視はされていませんでしたが、西欧では「悪魔を連想させる」などの理由から敬遠されることも多くありました。
重度な立ち耳はメガネやマスク、髪の毛が耳にかけられないなど、日常生活にも支障をきたすこともあります。
目の一重瞼・二重瞼同様、”立ち耳”と”そうでない耳”どちらが優れている、というものではありませんが、メイク等でカバーも難しく、大人になってからテープなどで矯正することは困難なため、お悩みであれば“立ち耳修正術”という手術をオススメします。

立ち耳修正術

立ち耳修正術は、麻酔の効き方など個人差もありますが40〜50分程で行え、診察を受けた当日にそのまま施術まで案内が可能なクリニックがほとんどです。
一度施術を行えば、耳に大きな負荷がかかるような外傷などがない限りは半永久的な効果を得ることができるので、カウンセリングでは現在の状態を診てもらうことはもちろん、希望の仕上がりをしっかりと伝えましょう。

立ち耳修正術

1.立ち耳修正術の流れ

①施術室で仕上がりの最終確認を行い、印をつけます。
②消毒の後、笑気麻酔・局所麻酔を行います。
③印に沿って耳の後(裏)側を3〜5cm程切開します。
④切開箇所から耳介軟骨の後面を剥離し、耳を寝かさやすくするための切り込みを入れます。
⑤医療用の糸をかけ耳介軟骨を後側へ寝かせるように矯正し、対耳輪の曲線を形成します。
⑥耳の後(裏)側の切開部分を縫合します。
⑦施術の5〜7日後に再来院し、耳の後(裏)側の縫合糸の抜糸を行います。

2.立ち耳修正術のメリット

・一度の施術で半永久的な効果を得ることができる。
・左右差の調整も可能である。
・傷跡は耳の後(裏)側のみのため目立ちにくい。
・切開による施術の中ではダウンタイムが少なく、周囲にバレにくい。

3.立ち耳修正術のデメリット

・目立ちにくいとはいえ、耳の後(裏)側に傷跡が残ることがある。
・抜糸のため、施術の5〜7日後に再度来院が必要。
・きつめのフルフェイスのヘルメット等、耳に負荷がかかるものは施術後しばらく制限が必要。

いかがでしたでしょうか？
人の第一印象を仮に答える際に、一番に「あの人は立ち耳だな」と言う方はまず少ないでしょう。
ただ第一印象は何か一つのパーツだけで決まるものではありません。
それぞれのパーツの大きさや形、バランスなど、多くのものが組み合わさって、他人に印象を与えます。
“耳”は無意識の内に顔の大きさや可愛らしさ、綺麗さ、知的さなどを左右し、あなたの印象を決定づけるパーツの一つであることは間違えありません。

“立ち耳修正術”は耳の後(裏)側の施術のため、傷跡が目立ちにくいことはもちろん、糸が付いている間も髪の毛などで隠しやすいと思います。
一度施術を受ければ即効性・半永久の効果を得ることができるので、お悩みであればまずカウンセリングだけでも受けてみるのはいかがでしょうか。