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美容注射、点滴

2020/03/26

内服薬より効果的?花粉症注射

#ステロイド#ノイロトロピン#ヒスタグロビン#内服薬#花粉症

気候も暖かくなり、卒業式、入学式、お花見、新生活などイベントごとも多いこの季節、外に出るのが億劫に感じる花粉症の方も多いのではないのでしょうか?
地域によってはスギ・ヒノキの花粉が1~2月頃から既に飛んでいて、ひどい時は目も鼻もかゆくて外せるのなら取り外して洗いたいくらい辛いですよね。
多くの方を悩ます花粉症ですが、症状は人によって様々です。
例えば・・・
・鼻のムズムズやくしゃみ
・大量の鼻水
・目の充血やかゆみ
・皮膚や頭皮の赤みやかゆみ
・口や喉のイガイガ感など炎症
・耳の奥がかゆい
などなど、これらの症状を併発されている方が多いです。

花粉症とは、異物である花粉を外に出そうとする私たちの生理現象なのですが、その加減が強い方に上記の症状が現れます。
花粉症対策で内服薬や点眼薬を使用しても、効果がなかなか実感できない方や、眠気やだるさ、口の渇きがひどく体質に合わない方にとっての救世主が“花粉症注射”です。
ここでは花粉症注射の種類やメリット・デメリットについて解説します。

ステロイド注射(ケナコルト注射)

花粉症注射の中で最も効果が大きいものが“ステロイド注射(ケナコルト注射)”です。
アレルギー反応を強力に抑制しますが、副作用も多くあるのが難点です。
そもそもステロイドは身体の恒常性を保つためのホルモンで、副腎皮質という臓器で調整されながら体内で産生されています。
強い抗炎症性作用や、免疫抑制作用がありますので様々な病気の治療にかかわり、身体を守っています。
ステロイド注射は花粉症患者の約90%の方が効果を実感できると言われていますので、花粉症の薬が何を飲んでも効かない、他の注射も効かないという人にとっては最終手段と言えます。

1.効果

長時間持続型のステロイドを使用するので、一度の処置で1ヶ月~3ヶ月間程持続します。
即効性があり、既に花粉症の症状が出ている方や重度な方でも改善する可能性が高いです。

2.副作用

ステロイドの持続期間中はホルモン調整しにくくなり、太りやすくなったり、ニキビができやすくなったり、女性は生理周期が乱れることがあります。
他にも、注入箇所の陥没・糖尿病・高血圧・肝機能障害・精神障害・骨粗しょう症・胃潰瘍なども。
副作用はすぐに現れるものもあれば、数年後・十数年後に出てくる場合があります。
多くの副作用があるため、重度の花粉症でなければ、近年ではあまり花粉症治療としては推奨しない医師も多いです。

ヒスタグロビン注射

ステロイドは副作用が心配だけど、効果が大きい注射をしたい・・・という方にオススメなものが、非特異的減感作療法(全てのアレルギーに効く)と呼ばれる“ヒスタグロビン注射”です。
花粉症などのアレルギー反応の元になるヒスタミンの過剰な発現を抑制することによって、アレルギー症状を緩和することができます。
1回の治療ではなく、1週間に1,2回の注射を3週間続けて効果が完成しますが、それでも効果が実感できない場合はもう1クール治療を行うことが推奨されます。
1クールでは50~70%の方に効果があると言われてます。

1.効果

基本的には症状が現れる前に開始することを推奨としてます。
効果の完成までに3週間を要しますので、花粉症のシーズン開始の1ヶ月程前に始めると良いでしょう。

2.副作用

蕁麻疹・発疹・喘息発作・一時的な鼻症状の増悪・そう痒などがあげられ、ヒト由来の医薬品のためウイルス等のリスクは完全に否定はできません。
また一時的に症状を増悪させる可能性があるため、月経開始直前や月経中の方は治療ができないので、女性の方は月経終了直後から治療を開始する必要があります。

ノイロトロピン注射

副作用が怖い、治療するタイミングが月経中を避けられない・・・という方には
“ノイロトロピン注射”がオススメです。
ノイロトロピンはもともと、腰痛や肩・腰の痛みに対して痛み止めとして整形外科の治療に使われてきた医薬品で、アレルギー抑制効果や自律神経の安定作用があると言われており、身体に大きな負担をかけることはなく、副作用や依存性も少ないことが特徴です。
その反面、ステロイド注射やヒスタグロビン注射と比べると効果は弱く、他の治療と組み合わせて行うことが多い注射です。
1週間に1~3回の治療がオススメですが、毎日でも可能なほど負担は少ないです。

1.効果

花粉症の症状が現れる前に開始する必要があります。
鼻づまりや大量の鼻水の原因である、鼻粘膜にあるアセチルコリン受容体が、増えることを抑制する効果があります。

2.副作用

注入箇所の赤み・疼痛・肝機能障害などがありますが、頻度は非常に少ないです。
他の抗アレルギー薬やサプリメント、ピルや注射治療をしていても効果を下げることはないため、ヒスタグロビン注射との併用もオススメです。

いかがでしたでしょうか?
春だけでなく、秋・冬も季節とは関係なく、様々なアレルギー症状を起こしてしまっている方もいますよね。
“花粉症注射”といってもたくさん種類があります。
また上記以外でも、プラセンタにも花粉症の症状改善の効果があったり、とにかく鼻炎が気になる方はボトックスを鼻腔内へ投与する治療方法もあります。
どんな治療方法が自分にとって最適なのか一度カウンセリングで相談してみるといいかもしれません。